11月11日の内容報告①

こんにちは、お元気ですか? ゼミ長です。来週は教授が調査で、ゼミが休講になります。ですので、今回は長く書いてしまえ!! というわけで、今回は、長い前文になります。お読みにならない場合は、とばしてください。

最近、授業で情報発信について学んでいます。「僕は、何のためにこのブログを書いているのだろう」というのが最近の僕の悩みです。僕たちの、ゼミでの活動を伝えるという前提はありますが、しかし、それを誰のために、何のために伝えるのか? 僕は、ゼミを休んだ人のための情報提示だけでは終わらせたくないと思っています。ゼミで行ったことを、より多くの人に考えてもらいたい・・・っていうと、なんかかっこつけているみたいですね。うーん、言葉にするのは難しいです。情報を発信することを通じて、僕も色々経験していきたいと思ってます。というわけで、内容に移ります。今回は内容が多いため、2週に亘って書きたいと思います(ゼミ自体は1回でしたが内容が濃くて)。


今回はAグループの発表、「古谷実著・マンガ『ヒミズ』(講談社)から読み取れる若者論についてレポートする」です。
では、Aグループの作ったレジュメをそのまま載せます。

登場人物紹介
住田(主人公)
中学生にしては物事をとても落ち着いてみて判断する事ができる。父親を殺してしまい、自分が絶対にならないと思っていた駄目な人間になってしまったことから世の為によい事をしようとするが「悪いやつを殺す」という本末転倒な事になってしまう。

 夜野
住田の親友とも言える存在、中学生にしてタバコを吸ったりスリをしたり、品性がよくないが、昔住田にいじめられていたのを助けてもらった恩を忘れずに、住田の借金のために危険を冒すなど良いところもある。お金が大好きである。

 茶沢
住田のことを盲目的に好いており(本作の中では住田のどこが好きなどの具体的な描写は無い)、親に捨てられ精神的におかしくなっていく住田のことを心配し常に常識的な意見を述べる。

 テル
おそらく年は高校生ぐらい?物事を楽観視しマイペース、感情の起伏が激しく次の行動がわからない。

 きいち
自分が入院したときに母親に買ってきてもらった漫画が病を忘れそうなくらいに面白かった経験があり、漫画を書き読んだ人に少しでも楽しくなってもらうために漫画家を目指している。書いた作品が賞を貰ったり、掲載されたりと住田とは対照的に自分の夢に対して勤勉に行動し、確実に現実となっている。

 怪物
住田がたまに見える怪物(幻覚?)父親を殺した頃からはっきりしてきて声をかけたりするようになる。住田が希望をもつと現れ、住田に希望をもたせない。

 赤田
住田たちと同じ中学校の学生、学生からいじめられている。大きすぎる夢をもつが、行動が伴っておらず、ドジで根性が無い。冒頭では住田から「お前超弱い遺伝子」「情けないやつだ」と強く批判されているが、どこか憎めないキャラのようで、その後も時々住田たちと一緒に話したりしている。友達のきいちの影響で漫画家を目指すが(夜にトランプのババのようなものからお告げを授かったとも言っている)下手ですぐにあきらめる。

 ヤクザ
住田の父親が作った借金の取立てに来たヤクザ。いわゆる暴力での取り立て役で住田にも怪我を負わせる。その後住田に偶然再会し、車で家まで送っていったり、住田のことを「気に入っている」といったり、アドバイスをおくったりしている。住田が自殺したときに使った銃はこのヤクザが「悪いやつを殺そうとするなら・・」とくれたもの。



■あらすじ・説明

題名であるヒミズの意味は 
モグラの一種、モグラ科に属するヒミズ類は、モグラ類と同様に眼は皮下に埋まり耳介をまったく欠くが、モグラ類に比べて体が小さく、尾が長い。
②またいつも閉じこもっていて人前に出ない人。


主人公住田は、自分が普通なのに特別であると思っているような人(3億円があたるのではないかなどの幸せな事、通り魔に遭うのではないかなどの不幸な事)をずうずうしいと思い、普通である事の喜びを世の人々がもっと感じるべきであるとおもう。そして自らはモグラのように陽の目を浴びないようなひっそりとした「普通の生活」に憧れる中学生。
家族構成は中年の父と母と息子住田だが両親は離婚して母子家庭で、母と一緒に売れないボート屋を営み何とか暮らしている。(父は時々金をせびりに訪ねてくる)
そんな暮らしの中、母親が恋人(中年の決して格好良くなく経済的にも裕福とはいえないと思われる中年男性)と家を出て行き、住田は親から捨てられた形になり、ボート屋で働き学校には行けなくなる。その後に、ヤクザが家を訪ねてきて、父親が作った借金600万の取立てにきて怪我をおったりと不幸が続くが「自分はクズじゃない、立派な大人になってやる」とこの時点では志はまだ崩れていなかった。
住田の親友夜野はあまり頭の回転が良いとはとはいえず手癖も悪いが、昔いじめられていた時に住田に助けてもらった事から恩を感じている根は素直な住田の親友的存在。お金が大好きで、お金を手に入れるために赤田と漫画家を目指したこともあった。
夜野は住田が背負った借金を返そうとスリをしているとき、同様にスリをしていたテルと出会い、一緒に空き巣に入る計画をたて実行するが誤ってそこの住人を殺してしまい、死体を2人で山に埋める。金は手に入ったが夜野は罪の意識にさいなまれ、テルは最初楽観していたが、徐々に夜野が自首し自分も捕まるのではないかと不安に駆られていく。そして後日、テルが死体を埋めた山にリゾートホテルが建つという事を知り夜野と一緒に埋め返そうと向かうが、地元の人よりホテルを建てる計画は中止になったと聞かされ夜野は安堵する。しかし、山からの帰り道にテルは、いつ自首するかわからない夜野を殺そうとする(事前に計画)。夜野は抵抗し何とか窮地を脱する。
一方住田は、何とか精神的に持ちこたえようとしていたが「親に捨てられた、借金はどうする」などの不安などから、自分がこのような惨めな気分になるのは父親のせいだと強く思い憎み、恨み、自分はもう駄目だと絶望する。そう思った日の夜、父親が住田の家を訪ねる。前述していたようなことを考えていた住田は、家の近くにおいてあったブロックで父親を殴り殺す。殺した事に後悔はない住田だったが「よりよい未来のために今までがんばってきた日々や、守りとおしてきたモノを今日全てなくしてしまった・・」とショックを受け「こんなごみ以下の命でも一度くらいは有効に社会のために立派に使いたい」と思い、1年という期間の中で定め悪いやつを探し抹殺する事を決意する。そのため悪いやつを探し、町を練り歩く日々を続ける。探し続ける間に、様々な悪人や変質者、自殺願望者にもあったりするが殺す事ができず、思いを遂げられない日々が続く。
住田は悪いやつを探している時に、偶然借金を取り立てにきたヤクザと再会する。そこで住田はヤクザに、自分のしていることを話す。ヤクザは、住田に少しの助言をする。その言葉を聞いて住田は少し気が楽になるが、すぐにまた元に戻ってしまう。
そんな中クラスメートであり住田に好意を持っていて、住田が学校に行かなくなった後も何回か住田の家を訪ねてがんばるように言っていた茶沢(女性)が住田の家を訪ねた。その際に、住田は自分が父親を殺し、自分が世のために悪いやつを殺そうとしている事を話す。茶沢はまず自首して罪を償ってから住田が言うような立派な大人になればいいのではないかと言うがそれは嫌だと拒否する。
住田が自ら定めた期限まであと半年となるが、悪者も見つからず精神的にも肉体的にも消耗し、家に帰って死のうと、悪者を探す旅から家に帰ってくると夜野と茶沢、きいちがおり住田の決心が鈍りかける。その後茶沢と2人きりになって話していると警察官が来る。茶沢が通報したのだった。茶沢は謝りながらもこうするしかなかったと語る。連行されようとするが今日は家で寝たいといい、次の日まで連行は待つ事になる。
その夜住田と茶沢は一緒に床につき、茶沢は出所してきたら結婚して子供を生んで健やかに暮らそうといい、住田もそんな“普通な”未来を手に入れられるかと夢を見る。「世界には生きたくても生きられない人もいる。自分にはまだできることがあるはずだ」と。
しかし、深夜眠りがさめると怪物が現れ下にあるやり取りをする。

住田 「・・・やっぱり・・・ダメなのか?・・・」
怪物 うなずく
住田 「・・・どうしても・・無理か?」
怪物 「・・・決まってるんだ」
住田 「・・・・そうか・・・決まってるのか・・・・」
そして住田は自殺する。


というのが大体のあらすじです。では、次週の日記でこの物語からの問題提起を載せます。