11月4日の内容報告

こんにちは、ゼミ長です。さびしさという言葉を自分の感情を表すときに使うことがありませんか? 僕はたまにあります。でも、さびしいってどういうことなのでしょう。人それぞれ違うといわれたらそれまでですが・・・ では、そろそろ内容に入りますね。本当はもっと長くさびしさについて書きたいのですが、前文と余談が長いのではないかと言われたので今回はこれまでにします(今回も長いか・・)。では、内容です。
 今回はグループ発表の1回目。Bグループの「文章から何かを問題提起をするということから、伏見憲明著『さびしさの授業』(理論社)をレポートし、面白さを伝える」という発表です。『さびしさの授業』は5章+あとがきという構成になっていてそれぞれ
1時間目 きみが生きられる場所
2時間目 ゆっくりと、信じて待つこと
3時間目 たった一つのプライドを守れ!
4時間目 仲間とつながることで
5時間目 「ふつう」であることのむずかしさ
あとがき
となっています。それぞれの時間では、著者の経験や、映画・アニメから、生きていくことについて語られています。
 今回は、発表者が3名だということで、3時間目までについて要約と、感想が発表されました。Bグループの都合により、2時間目、1時間目、3時間目の順で発表されましたので、そのまま時系列でまとめます。

2時間目
この章では「変わっている」という偏見の話から始まり、映画『シックス・センス』(M・ナイト・シャマラン監督)を題材に、そこから何が読み取れるかが書かれています。まずは、本文の結論部分を少し引用させていただきます。


 ぼくらがこの物語から学ぶべきことは、それが理不尽であろうが差別であろうが、この世界には「私」のための席が用意されていないこともありうる、という現実です。それはまさしくぼくら人間や社会の限界を反映しています。(本文引用52ページ) 

 ぼくらはコールが得たような奇跡を信じるしかありません。そして、この世界が「私」を受け入れない悲しみを自分で引き受けたときにこそ、「私」は「私」自身の歩みを始めることができるのです。(本文引用53〜54ページ) 

補足 コールというのは『シックス・センス』の主人公で、幽霊が見えるということを周りから受け入れてもらえない少年です。最終的には彼の理解者ができます。詳しくは『シックス・センス』『さびしさの授業』を参考にしてください。シックス・センス コレクターズ・エディション [DVD] さびしさの授業 (よりみちパン!セ)


一通り発表者から要約が発表された後、感想が発表されました。発表者の感想から、結論を前提とした

シックス・センス』はハッピーエンドか? 
結局コールの周辺はあまり変わっていない。

等の意見交換がされましたが、結局は著者のまとめに収束すると、ぼくは今では思っています。


1時間目
この章は著者のいじめられた体験について語られています。

一通り要約の発表が終わったところで、本文の内容についての討論がありました。

― 友人はどんなに親しいと思っていてもいつ態度を翻すかわからない存在でしかありえず、先生や親はかんじんなときに自分を助けてくれるものではないかもしれない。周囲がぼくという人間にいつでも温かい場を用意してくれるわけではないことが、身にしみてわかりました。(本文引用 23〜24ページ)―

という部分から、いじめをする側というのは、思考停止状態になっているのではないか? つまり、戦時中、人を沢山殺した人が殺人について語るときに、そのときの時代や状況を背景にあげるように、いじめもそのときの状況が原因になっているということです。しかし、それは良いことなのだろうか? などの意見が出ました。

著者が、いじめられている最中の話で
― けれど、そのとき、もし泣き言をいって取り乱してしまったら、もう立ち直ることができなくなると、ぼくはどこかで直感していたのでしょう。ほかのいじめ体験者の多くがそうするように、そのことに傷ついていないふりをすることで、自分自身の尊厳を守ろうとしたのです。(本文引用21ページ)―

という部分から、いじめられているときに泣き言は言うべきか? 誰かにすがるべきか? すがらないといじめられている本人の自分の居場所がなくなってしまうのではないか? 学校では、誰かにすがらないで、自分でいじめに耐えていく力を教えてくれない。実はそういう経験からその力を学べといっているのかもしれない。などの意見が出ました。


3時間目
この章では『赤毛のアン』が取り上げられています。アンの考え方・生き方・言動などを、彼女の育った環境から考察しています。そして、彼女が自分を保つための行動から、生きていく方法と、彼女が周りを変えていった事について語られています。

ここでは、一通り要約が終わった後、本文を深く読み取るという作業をしました。アンの生まれた背景について詳しく説明があり、そして、たった一つのプライドを守れ! とはどういうことかについて話し合いが行われようとしていたときに時間が来てしまいました。なので、ここでは本文で自分が重要だと思った点を引用して閉めさせていただきます。

― これまで見てきたように、『赤毛のアン』という物語は、この世界からなにもかもを奪われた「私」が、自分自身の心の持ちようによって、いかにその「生」を支えることができるのかをあますところなく表現しています。アンという一見、天衣無縫な少女の中にあるたくましさと切ないまでのサバイバル(生き残ること)への思慮に、ぼくらは小さきもの、力なきもののだからこそ手にした、大きな力を見ることができます。(本文引用79〜80ページ)―


余談とゼミ+
今回は、ゼミが終わった後、残れる人だけ残り、「ゼミの運営補助費用をどう使うか」という話し合いと、先生への質問が行われた。ゼミの後、残って何かをすることを「ゼミ+」とこのブログでは定義します。今後、ゼミ+が行われた場合、随時報告していきます。ではこの辺で失礼します(余談が長いって言われたので)。