7月15日の内容報告
2005/7/15の井上ゼミⅣ研究成果発表会での3年生からの意見・感想
7月15日に行われた、2004年度生(現四年生)の卒研中間発表における現3年生の感想です。
- 就職活動で忙しいなどいろいろある中、作業を進めてきたと思うが、きびしいことを言うと、調べたことが自分の言葉になっていない感じがするものがあった。準備期間はどのくらいだったのだろう。卒論のテーマ決めの難しさと中身をどう作り上げていくかなどこれから自分が進めていくのにいろいろと参考になった。
- 正義と悪については、やっぱり難しすぎると思った。というより答えなど出ないし、これから展開していくのも難しいのでは。
オタクについて。オタクはなぜ嫌がられるのだろう。たとえばアメリカでオタクみたいのはむしろたとえどんな人であれすばらしいことだと。そういう意味でも何らかの趣味に一生懸命打ち込んでいるオタクは変にそこらで何もせずに無気力に生きている人よりはよっぽどすばらしい人種に見えないだろうか。つまり人の見方しだいなんじゃないかなと思う。
戦争について。戦争は人の命を多く奪い、避けるべきものであるが、その一方で得たものもある。例えば、技術。コンピュータといったものは戦争から生まれた産物である。今日ではコンピュータのおかげで暮らしは大きくかわってきた。そういう意味でも戦争が続けば新たな技術が生まれ、後の世にて新たな生活の糧みたいのになるのではないかと。戦争のすべてがだめなわけでもないように思える。 - 「反日感情の歴史とメディア論的考察」について。山口さんの考察には僕も共感します。私見では問題は日中間の意思疎通ができていない部分にあると思います。私が中国の情報を手に入れることができるのは日本のメディアだけです。中国の人にしても中国のメディアだけなのではないでしょうか。本当に中国の人は全員がテレビで放映されたデモのように反日感情をもっているかは確かではないと思います。国として見ないで一個人としてこの問題を考えることも大切ではないかと私は考えています。この反日感情の問題は私もとても興味のある問題です。これからの研究を楽しみにしています。
「格闘ゲームの魅力について」について。格ゲーって面白いですね。格ゲーが人に与える良い影響と悪い影響という点は非常に面白かったです。今後格ゲーの可能性などを研究してもっと社会に認められたらなあと思いました。
「正義と悪についての一考察」について。一人の犠牲と99人助かる。全員助かるように動くというのにはどちらにも正義が感じられません。まあ、悪は人質をとった方だと見れるのですが、正義はないんじゃないでしょうか。一人の犠牲を決めるのに殴り合いで決めたのなら気持ち悪いし、一人が率先して出たのならかっこいいと思うし、それ以上でもそれ以下でもないと私は考えます。正義と悪の話は難しいですね。 - 「反日感情の歴史とメディア論的考察」についてですが、つい最近、テレビのニュース等で反日についての映像が多く流れていましたが、そのデモに参加していた市民はレジュメに書いてある通り、暴徒のように見えました。その様子は日本料理店に石を投げ込むなど、とても反日感情だけから来ているものとは思えませんでした。デモに参加している若者の多くが自分自身の欲求不満から暴徒化しているという考察には私も同感です。彼らはただ騒ぎたいだけでしょう。
- 山口さんの発表について。中国・韓国の反日デモについて。過去日本が中韓にしたことは知っているし、許されることではないと思っている。しかし、発表の中では別の視点も必要だったと思う。例えば、日本と中国が結んだ戦後補償を放棄する条約や対中ODAなどである。東南アジアでは比較的反日デモが少ないのかというものだ。つまり、日本と中韓双方の視点が必要だったと思う。
- 「反日感情の歴史とメディア論的考察」について。私が興味を持ったのは山口さんがテーマにしていた反日感情についてです。確かに山口さんが言っていたように、日本は何故中国や韓国に反日感情を抱かれているのかを詳しく理解しようとしている人は少ないと思う。学校の歴史の勉強でも浅くしか載っていない。これに対し中国や韓国は異常なまでに深くそして過剰に日本にされたことを教えている。こんなことをしていては日本を憎ませるために教育をしているとしか思えない。昔から両国が歩み寄れるように色々やっているが、小泉首相の靖国参拝など問題は他にもまだまだある。反日感情はそう簡単に消えるものではないと私は思う。
- 工藤さんの発表「YOSAKOIソーラン祭りと北海道民」。発表にて1〜7までの段階が区別されており、わかりやすかったし、いろいろな知識を豊富に持っている印象を受けた。内容も面白く、さまざまな関係性のある資料がでてきたため興味深く聞かせてもらった。
- 高齢者福祉・・・枚数、字数が限られていたかもしれないが、『ヘルプマン』を話のネタに使うのであればもっと突っ込んで欲しかった。インタビューについての説明も少ないと思った。
現代日本の社会保障・・・定義しているだけに終わり、それらの内容をどう思うか、問題提起がなくて残念。
自己決定権・・・説明がいろいろな方面にとんだため、理解が難しいところがあった。「個性重視」と「自己決定権」に警鐘を鳴らしていると思うのだが、それではどのように子どもたちに教えていけばいいのか、改善点などもっと言って欲しかった。ただ否定した意見では納得がいかない。
反日感情の歴史・・・まだ日本と中国、韓国の間柄について歴史的事柄が挙げられていないと思った。また少し見解が日本に偏っているのではないかと思った。
格闘ゲーム・・・男性にとっては身近なものであるが、やったことがない人にとっては意味がわからないかと思う。まだ結論が出ていないので今後、具体的なテーマを設定して研究して欲しい。
演劇について・・・演技の説明やポイントについての説明にとどまっていてもう少し深いところまで考察、問題提起して欲しかった。
YOSAKOI・・・北海道とYOSAKOIについて詳しく分析してあってよいと思った。しかし、その前に「祭り」の分析や定義が甘い。例えば、トマト祭り⇒スペイン人、情熱的だからとあったが、その根拠は?
笑いについて・・・レジュメが感想、パワーポイントが笑いについての説明のようになっていたが、各論点についてさらに詳しく掘り下げていくとよいと思う。
安楽死について・・・安楽死への意見は賛否両論だと思う。もっと追求して客観的な立場から是非を聞いて欲しい。
単なるスポーツ・・・「サッカーがスポーツという枠では収まり切らない」とあるが、他のスポーツとの区別、違いが説明の中でなかったので、野球やバレーなど具体的に例を挙げて、違いを述べたほうがよりわかりやすいのではないか。あと「オリンピックよりワールドカップのほうが上」とあるが、その根拠がはっきりしていない。
蔑まれても・・・まだ十分に調べていないようで根拠がない、もしくは明記されていないものが多いと思った。
正義と悪・・・「正義」について主に取り上げていた。「悪」に関しても出して欲しい。 - YOSAKOIソーラン・・・よく勉強していたと思う。いろいろな雑学的なことを取り入れていて面白かった。
格闘ゲームの魅力・・・ゲームは全くやらないので言っていることがよくわからなかった。
演劇について・・・自分も一言一言の言葉の持つ力をとてもすごいと思う。
笑いについて・・・堂々と発表していてよかったと思う。
安楽死について・・・安楽死は時には必要だと思う。ボクがもし植物人間になったら安楽死させてもらいたいと思う。 - 佐藤さんの「高齢者福祉の現状と課題」を見て「福祉」というものを考えさせられました。漫画という非常に分かりやすいものを使ったところに好感を持てました。
保坂さんの「自己決定権の濫用について」はとても強い意志力が感じられてよかったです。論点についてきちんと自分の意見を持っているのはすごい事だと思います。
酒井さんの「格闘ゲームの魅力について」は入りやすい題材でした。コミュニケーションの手段としてのゲームというのは面白かったと思います。
工藤さんの「YOSAKOIソーランと北海道民」は、発表までに作ったり、調べた事が非常に多いと感じられました。20分という長い発表ができるのはすごいと思います。
秋庭さんの「蔑まれてもオタクが変わらないのは…」は、題材がとてもタイムリーでよかったです。特に興味深かったのは、レジュメで企業が脱オタクを阻む原因になっているという部分でした。
音川さんの「正義と悪について」は、最初に「絶対的なものはない」と断定した上で個人的な判断基準を探すという方法に納得できた。 - 笑いについて・・・今、お笑いブームでテレビをつければ必ずといってよいほど、お笑い番組が放映されているが、本当に笑うということはすばらしいことだと思う。
- 特に印象に残ったのは「ゆとり教育」のことだ。徒競走などで最後に遅い人を待って、みんな一緒にゴールするということや、コンクールなどで金とか銀とか順位をつけるのをやめようということの話題が印象に残った。結果を求めることにより、人はそれを励むのにそれを否定されたら、頑張る意味もない。何か競うものがあるからこそ上達するし、結果が応えてくれるからこそ達成感も得られるというのに・・・。
今日の話では「一人だけ特別は悪で、みんな平等は善」みたいなことが世の中で進んでいると言っていたが、なんか逆じゃないのかなと思った。「ゆとり」というけれど、それを理由にして怠けるというか積極的に物事に取り組まない人が多くなり、かえってだめになっていくのではと思いました。 - 「自己決定権の濫用について」で小学校の運動会で徒競走の順位をつけなくなっているというのは聞いたことがあるが、「仲良しゾーン」というのは初耳だったし、非常に滑稽だった。徒競走の目的は順番をつけることよりも体力的な向上の成果の発表――発表というのもおかしなこと表現だと思うが――と「ゴールに向かう」という目標に向かうのが目的だと考えられる。足の遅い子を待つのは、足の速い子の「自由意志」によって行われる分には問題ない。しかし、大人の力によって待つことが強制されると「一緒に」ゴールなどという変な感覚が植えつけられることになる。「一緒に」競技を行うことが大切な要素の一つであるはずだが、物事の結果に大きなポイントを置いてしまうと、プロセスの重要性を見い出す力が不足するのではないだろうか。現代日本の教育現場における用意された「ゆとり」に対する危険性を感じた。
「笑いについて」の中で「笑うことで自然治癒能力が向上するのではないかと考えられている」という部分が、ちょうど前日音楽療法のインタビューをしてきたこともあり、非常に興味を持った。笑いも音楽も外的なパワーであり、眼に見えない「音」の世界のパワーである。こう考えると、「音」には科学的には分析できない何かがあると十分考えられるが、やはり自分は社会学的な「音と癒し」の関係性を今後分析してみたいと思った。 - いちばん印象に残ったのは、秋庭さんの「蔑まれてもオタクが変わらないのは」です。なぜなら自分もオタクと呼ばれる側の人間だからです。
質問で出ていたように自分も内容を聴いて随分オタク否定だなと感じました。そのあとの回答でまあそういう考えもあるかなと思いましたが。自分はオタクですが、蔑まれているという感じを受けたことはありません。周りの人間にはオタクではない人もたくさんいますし、オタクではない普通の彼女もいましたが、それでもです。今までオタクで不都合があったことはなんらありません。よって今回の発表は自分にはあてはまらず、ちょっと決めつけすぎかなと思いました。でも企業のくだりは確かにその通りだなと思いました。